神村学

チョウなどの完全変態昆虫では、幼虫と成虫の体つきが全く別の生き物かと思えるほど違っているけれど、サナギはそのような大変身をするための準備の時期。サナギはじっとして動かないけれど、厚い殻の中では体の中身をすごい勢いでつくり替えている。サナギになりたての時期はすべての部分が柔らかく、また、壊される部分は小さなバラバラのかたまりになって体の中に散ってしまうので、一見するとサナギの中身はどろどろのクリーム状に見えるんだ。しかし、注意してみると、サナギになりたての時期でも半透明の薄い翅ができているし、筋肉などもちゃんとある。そして、サナギの後半になると体の中身もしっかりしてきて、羽化直前には成虫の模様などが殻の外からでも見える。